満月の狼女帝(5)
お久しぶりです。
またまた長いこと間を空けてすみません。生きています、念のため。
というわけでお待たせしました、狼女帝の5話です。
「さて、狼たちが七人揃ったわけだね」
フン、と鼻を鳴らし、ハティは他の狼女たちに目を向ける。
狼女たちは一瞬ビクッ、と身体を震わせ、彼女のほうにゆっくりと近付いていった。
「アンタたち」
「は、はい……、ハティ、さま」
まだ怯えているのか、狼女たちの声はやや小さくなっている。
「そろそろだよ」
「そろそろって……」
「決まっているだろ、フェンリル様の復活だよ!」
声を高らかに挙げながら、ハティは空を仰いだ。
狼女たちも、ノヴァもまた、彼女に釣られたように空を見上げる。
――真っ青な、月。
人間だった頃に見たら、間違いなく「不気味」以外の感情を抱かなかっただろう。しかし、今はその月を見るだけで、心の中に仕舞っていたはずの「何か」が疼きあがってくる。
そう、「何か」――。
まだ火の使い方さえも知らなかった、原始時代の野生本能かもしれない。彼女たちはその月を見て、疼きあがったその本能を湧き上がらせて、
「アオーン!」
一人の狼女が吼えた。
「アオーン!」
「アオーン!」
彼女に続き、一人、また一人と声を挙げていく。
まるで、何かを出迎えるためのファンファーレみたいに、彼女たちは咆哮の合唱を挙げていく。
ノヴァもまた、
「アオーン!」
人間だったことを既に忘れているかのように、咆哮を挙げる。
それがどれくらい続いただろうか――。
蒼い月の光が、公園中を眩く照らした。ノヴァは思わず、眩んだ目を閉じる。
「ワレ……誰、だ……」
掠れた声が、突如聞こえてきた。
「我を、復活されたの、は、誰、だ……」
途切れ途切れに聞こえる、低い声。
「私です、フェンリル様」
ハティが答えた。
ノヴァはゆっくりと、眩んだ目を開く。
「ククク、そうか。貴様か。この我を蘇らせたのは……」
視界が戻った瞬間、ノヴァは思わず全身を硬直させた。
そこに、狼がいた。
それは狼になりたての自分とはもちろん、幼い頃に絵本や図鑑で見たような狼とも違った。
蒼白い光に照らされた、銀色の体毛。
身の丈は人間よりも大きく、牛にすら平気で噛み付いてしまいそうな大きな牙が剥き出しになっている。
目は赤い。それは血走っているというよりも、燃えている、といったほうがいいかもしれない。
「紹介しますわ。ここにいる狼たちは、フェンリル様の花嫁となる者です」
「ほう、なるほど……」
フェンリルはゆっくりと歩き出す。
一歩――。
そしてまた、一歩――。
こちらに近付いていき――。
そして立ち止まる。
「気に入ったぞ。特に、こいつは、最も美しい」
フェンリルは、ノヴァを見下ろしながら、ゆっくりと彼女の頬に舌を舐めまわした。
「花嫁、よ。貴様の名は、なんという?」
「の、ノヴァ……」
またまた長いこと間を空けてすみません。生きています、念のため。
というわけでお待たせしました、狼女帝の5話です。
「さて、狼たちが七人揃ったわけだね」
フン、と鼻を鳴らし、ハティは他の狼女たちに目を向ける。
狼女たちは一瞬ビクッ、と身体を震わせ、彼女のほうにゆっくりと近付いていった。
「アンタたち」
「は、はい……、ハティ、さま」
まだ怯えているのか、狼女たちの声はやや小さくなっている。
「そろそろだよ」
「そろそろって……」
「決まっているだろ、フェンリル様の復活だよ!」
声を高らかに挙げながら、ハティは空を仰いだ。
狼女たちも、ノヴァもまた、彼女に釣られたように空を見上げる。
――真っ青な、月。
人間だった頃に見たら、間違いなく「不気味」以外の感情を抱かなかっただろう。しかし、今はその月を見るだけで、心の中に仕舞っていたはずの「何か」が疼きあがってくる。
そう、「何か」――。
まだ火の使い方さえも知らなかった、原始時代の野生本能かもしれない。彼女たちはその月を見て、疼きあがったその本能を湧き上がらせて、
「アオーン!」
一人の狼女が吼えた。
「アオーン!」
「アオーン!」
彼女に続き、一人、また一人と声を挙げていく。
まるで、何かを出迎えるためのファンファーレみたいに、彼女たちは咆哮の合唱を挙げていく。
ノヴァもまた、
「アオーン!」
人間だったことを既に忘れているかのように、咆哮を挙げる。
それがどれくらい続いただろうか――。
蒼い月の光が、公園中を眩く照らした。ノヴァは思わず、眩んだ目を閉じる。
「ワレ……誰、だ……」
掠れた声が、突如聞こえてきた。
「我を、復活されたの、は、誰、だ……」
途切れ途切れに聞こえる、低い声。
「私です、フェンリル様」
ハティが答えた。
ノヴァはゆっくりと、眩んだ目を開く。
「ククク、そうか。貴様か。この我を蘇らせたのは……」
視界が戻った瞬間、ノヴァは思わず全身を硬直させた。
そこに、狼がいた。
それは狼になりたての自分とはもちろん、幼い頃に絵本や図鑑で見たような狼とも違った。
蒼白い光に照らされた、銀色の体毛。
身の丈は人間よりも大きく、牛にすら平気で噛み付いてしまいそうな大きな牙が剥き出しになっている。
目は赤い。それは血走っているというよりも、燃えている、といったほうがいいかもしれない。
「紹介しますわ。ここにいる狼たちは、フェンリル様の花嫁となる者です」
「ほう、なるほど……」
フェンリルはゆっくりと歩き出す。
一歩――。
そしてまた、一歩――。
こちらに近付いていき――。
そして立ち止まる。
「気に入ったぞ。特に、こいつは、最も美しい」
フェンリルは、ノヴァを見下ろしながら、ゆっくりと彼女の頬に舌を舐めまわした。
「花嫁、よ。貴様の名は、なんという?」
「の、ノヴァ……」
コメントの投稿
No title
人外娘×モフモフの獣姦とな!?
さらに何かに目覚めてしまいそうだ!
米返
そんなこといわないで下さい><;
私のケモナーとしての熱意は名前を見れば想像つくはずです!
さらに何かに目覚めてしまいそうだ!
米返
そんなこといわないで下さい><;
私のケモナーとしての熱意は名前を見れば想像つくはずです!
Re: No title
チョビさん
> 人外娘×モフモフの獣姦とな!?
> さらに何かに目覚めてしまいそうだ!
YOU目覚めちまいなYO!
あ、でも続きが書けてから目覚めてくださいね(笑)
> 米返
> そんなこといわないで下さい><;
> 私のケモナーとしての熱意は名前を見れば想像つくはずです!
ええ、分かりますとも。
そんなあなたにフェンリル様をプレゼント(笑)
> 人外娘×モフモフの獣姦とな!?
> さらに何かに目覚めてしまいそうだ!
YOU目覚めちまいなYO!
あ、でも続きが書けてから目覚めてくださいね(笑)
> 米返
> そんなこといわないで下さい><;
> 私のケモナーとしての熱意は名前を見れば想像つくはずです!
ええ、分かりますとも。
そんなあなたにフェンリル様をプレゼント(笑)