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淫魔学園 第1章

報告が遅れましたが、甘野 氷様の磯味レーションとリンクをさせていただきました。

様々なジャンルのイラストを描かれておられる方で、TSFや悪堕ちのイラストもあります。
相互リンクありがとうございました。


さて、今年最後の更新は淫魔学園の続きです。

まぁエッチとか悪堕ちのシーンとか全然ないんですけどね。

次回は流れ的に女子の悪堕ちになるんで、TSFを期待していた方はもう少しお待ちください。





「ん~着いたぁ」
 金森喜一は櫻庭駅の改札を出ると、大きく伸びをした。
「まだだよ。ここから学校までバスで二十分ぐらいかかるって」
 そう言って風間夏樹はため息を吐く。
「あー、バスかぁ。そういやそんなのもあったっけな」
「もう……」
 中学からの顔馴染みである二人は、偶然にも同じ高校に通うことになり、それがきっかけでなんとなく仲良くなっていた。というのも彼らが通う私立夢鏡学園は今年から男子を入学させることになっており、男子の人数が五人と聞いていたため、数少ない男子同士で早いうちから仲良くなっておきたかったのだ。
「あー、やっぱり楽しみだよなぁ。なんたって、元女子校だぜ。俺らにとっちゃハーレムだよなぁ」
 喜一はバスを待ちながら既に身体が小躍りしていた。バスの時間まではまだ三十分ほどある。
「いいなぁ……ボクは受験して受かったのがここだけだったから……」
「ムリに高レベルの志望校狙いすぎなんだよ。ま、ホントはここもかなりレベル高いんだけどな……正直まさか受かるとは思わなかったぜ」
「多分学校も男子生徒募集するのに必死だったんだよ。それにしてもしばらくは私服かぁ……なんだかしっくりしないね」
「それなんだよな。男子の制服がまだ発注できていないからそれまでは私服だってさ。ま、俺はどっちでもいいけど」
 二人がそんな会話を続けていると、女子高生が一人、向こうから走ってきた。赤を基調としたブレザーとチェックのスカートから、彼女が夢鏡学園の生徒だということがすぐに分かった。彼女は彼らの前で止まると、肩で息をしながら話し始めた。
「す、すみません……今、そこで、不良に絡まれて……」
 厚ぼったい眼鏡をかけており、一見地味な印象を受ける少女だが、落ち着いてみると可愛らしい顔立ちをしていた。
「なんだって!?」
「私は、なんとか、逃げてきたんですけど、別の、男の人が、助けに来てくれて……」


 一方その頃、駅から少し離れた裏路地――
「クソッ!」
「コイツ、つええ……」
「ひ、ひえぇ……兄貴、ズラかるッスよ!」
 三人の不良風の少年が、赤く腫れ上がった頬を押さえながら逃げていった。
 そんな彼らをいつまでも睨み続けているのは、金髪の少年。真っ黒なパーカーをラフに着崩している。
「ケッ、ザコが……」
 彼は不良たちをそのまま見送ると、バツが悪そうにペッと唾を吐いた。
「っと、時間だな。いけねぇ、高校に着いたらもう少し大人しくしてなきゃな」
 そう言って少年、清水キリトはバス停へと向かった。


 喜一たちがバスに乗ると、既に二人の男子生徒が乗っていた。
 一番後部の座席に、眼鏡をかけた少年が本を読みながら座っている。その前の席には、赤茶色の髪をした少年がボーッと外を眺めていた。
「おい、あいつらもウチの学校の生徒か?」
「じゃないかな? このバス他にめぼしいところに停まりそうにないし」
 夏樹がそういうと、喜一はおもむろに一番後ろの座席へと向かった。そして隣に座っている眼鏡の少年に話しかけた。
「ねぇねぇ、君も夢鏡学園の生徒?」
「はぁ……そうですけど」
 眼鏡の少年は少し迷惑そうに返事をした。
「で、君、何読んでるの? あ、これラノベだよな。こういうのよく読んでんの?」
「喜一君、そろそろやめようよ……」
「いいじゃんか。一緒の学校に通うんだし。君もそう思うよね」
 喜一は視線をさきほど一緒になった少女へと送った。
「美帆です」
「そうそう、美帆ちゃん。君も隣に座りなよ」
 美帆はしぶしぶと彼の隣に座ろうとするが、同時にバスに乗ってきた金髪の少年を見かけると、視線が一気に彼のもとへといった。金髪の少年が前方の席に座るのを確認すると、彼女もその隣に座った。
「あの、さっきは助けてくれてありがとうございました……」
「あー、はいはい。どういたしまして。別に助けたくて助けたわけじゃないんだけどな……」
 金髪の少年は仏頂面をしながら適当に返事をする。
「私、滝塚美帆といいます。あの、もしよろしければ……」
 美帆は頬を染めながら彼に話しかける。彼は依然として適当に返事をしているばかりだ。
「クッソー、なんか悔しいな。そう思うだろ、えっと、眼鏡君」
 喜一が呼びかけると、先ほどまで本に夢中だった少年が喜一の方を向いた。
「勝手に変なアダ名をつけないでください」
「じゃあ名前教えて」
「……小木輝」
 そう呟いて少年は再び本を読み出した。
「全く、冷たいよなぁ。君もそう思うだろ?」
 喜一は身を乗り出して、前の席に座っている赤茶色の髪の少年に話しかけた。
「……」
 しかし少年は外を見たまま何も話そうとはしない。輝とは違って、喜一の言葉がまるで耳に入らないかのように、表情ひとつ変えずに黙り込んでいた。
「なんだよ、どいつもこいつも」
「まぁいいじゃない。これから仲良くなっていけば」
 夏樹がゆったりと諭した。
「それもそうだな。さて、学園生活、どんなことが待ち受けているのか……待ってろよ、高校生活! 夢鏡学園!」
 喜一はバス内に響き渡るように、高らかに叫んだ。
「うるさいですよ……」
「あはは……」
「ケッ、こんな奴と一緒の学校かよ」
「……」
 そうこうしているうちに、バスが学園前に到着した。


「ふふっ、男子生徒たちがやってきたようね」
 来栖ミサは窓から外を覗きながら呟いた。
「はい。予想通り、皆癖の強い者ばかりです」
「だから楽しいのよ。それより、準備はできているの?」
「はぁ、しかしこれは一体どういうことなのですか? 新入生歓迎のパーティを、女子のみの参加にするというのですか?」
「そうよ」
「ですが、このパーティは全ての生徒を淫魔へと変える重要な儀式でもあります。そこのところは……」
「理解できているわ。でも、男子を淫魔に変えるのはまだ先にしようと思うの」
「生徒会長……」
「ごめんなさいね、理解しづらいことばかりで」
「いえ、私は生徒会長の考えに従います」
「ありがとう。よろしくお願いしますね」
 女教師は頭を下げると、生徒会室を出て行った。
 ミサはこれから起こることを想像しながら妖しく笑い出した。

 ――さぁ、まずは女子生徒の皆さんを、ステキな淫魔に変えてあげましょう。

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